マグネシウムは万能のミネラル

 

 宣伝広告の影響や骨粗しょう症への危惧のためか、ミネラル不足というとカルシウムを思い浮かべる方が多いですが、実はマグネシウムの方が重要です。昨日の記事でも触れましたが、カルシウムは骨のカルシウム収支の平衡機能のため、普段からきちんとした食生活をしていれば、さほど不足する事はありません。一方、マグネシウムはというと、近年その不足が深刻である事が注目されており、アメリカでは国民の8割がマグネシウム不足なのだそうです(冒頭のビデオ)。日米ともに緑黄色野菜の摂取量はそれほど変わらないと思いますが、日本は魚介類の他、海藻もまめに摂取しますので、ここまでひどくはないと思っていたのですが、日本でもマグネシウム不足の国民への蔓延は深刻で、糖尿病など生活習慣病が戦後増え続けている原因の1つとなっているそうです(以下の記事参照):

 

http://www.seikatsusyukanbyo.com/calendar/2011/001804.php

 

 マグネシウムが必要な理由ですが、

 

1.細胞の代謝に不可欠のミネラルであるため、不足すると、疲労感・気怠さを感じる(汗と一緒に排出されるので、熱中症の時や長風呂・サウナの後で、休憩したり水分をいくら補給してもダルさが取れないのは、マグネシウムを中心としたミネラル不足のためです。詳しく言うと、ナトリウム・カリウムなどの電解質の発汗による不足も関係してきます。)。実はマグネシウムの多くは(骨の他は)細胞内に多量に蓄積され、血液中の量は少ないため、マグネシウム不足が血液検査などから解りにくく、また細胞壁(膜)からの取り込みの効率が重要になります。最近では日本でも出回っていますが、欧米を中心に Epsom Salt(エプソム塩:硫酸マグネシウム)が入浴剤やボディースプレーとして愛用されているのは このためです(以下のビデオ)。

 

 

2.特に脳はマグネシウムの消費量が多いので、不足すると疲れやボーっと感じるだけでなく、頭痛を感じる場合もある(これが習慣化、慢性化している方も結構いるそうです)。そうでなくとも、すぐ上のビデオによると、マグネシウム不足が原因で、そうでない同世代の人たちに比べ、記憶力・認知力が かなり低下している人たちがどの国も溢れかえっているそうです。マグネシウムの摂取により、疲れ・頭痛も取れ、頭もクリアになって来ます(以下のビデオ)。

 

 

3.脳がきちんと働いているように見える時でも、マグネシウム不足によって、イライラ・怒りの他、落ち込み、鬱など、感情のコントロールが出来なくなります。これは、脳の神経細胞(ニューロン)同士の電気信号の漏れをマグネシウムが防いでいるのですが、マグネシウムは神経細胞にあるストレスホルモンの受容体を普段は覆ってストレス信号の量を調節しているのですが、マグネシウムが不足すると、この覆いが外れてストレス信号が脳内を駆け巡るような漏電状態になり、脳の彼方此方に不必要に伝達されて、ヒステリーなど、感情の暴走が止まらなくなるわけです。以下の動画によると、これがマグネシウム不足による現代人の最も深刻な問題(8割が該当)だそうで、その原因は人類の農耕開始時から現代へ至る食生活の大幅な変化だそうです。この数年、欧米を中心に狩猟採取時代の食材を取り入れたパレオ食事法 (Paleo diet) が流行っていますが、炭水化物をタンパク質・脂質に置き換えるだけでなく、こういったミネラル不足を補う事も大きな目的なのです。

 

 

 また、この際に(あるいは感情をコントロール出来ている人でも)脳内の抗ストレスホルモンであるコルチゾールが多量に分泌されます。このコルチゾール、脳内の炎症を起こし、放っておくと神経細胞を次々に死滅させていくのですが、その最たるものが、短期記憶(ワーキングメモリー)を司る海馬です。このため、マグネシウム不足に限らず、ストレスを受けやすい状態を放置しておくと、海馬がだんだん委縮し短期記憶力が低下しもの忘れが増え)、海馬が使い物にならなくなります。海馬は記憶に白黒のラベリングをする事により、ストレスをコントロールする器官なので、放っておくと、更に感情に翻弄されやすく、他人の言動に対して敏感・ネガティブになります。これが慢性的ストレス・疲労感の大きな要因の1つです。

 

 ただ、最近になって、海馬はマインドフルネスなどのトレーニングで(高齢になっても)数か月単位で回復が見られる事が解っています。これについては私も実践して効果がありますので、別の記事で紹介しますが、とりあえずはマグネシウム不足とコルチゾールの過剰(このサイトでも紹介したエゾウコギなどのアダプトジェン系のハーブ・サプリが効きます)に注意しましょう。

 

4.筋肉の弛緩・修復に多量に利用されるため、不足すると、こむら返しのほか、筋肉痛の原因になる。

 

5.糖の代謝を助けるため、不足すると血糖値が下がりにくくなり糖尿病など、生活習慣病のリスクが高まる(冒頭のビデオを参照)。また、マグネシウムは血圧を下げる効果があるので、高血圧に多大な効果がある(同ビデオ)。

 

6.骨を作るのにはカルシウムだけでなく、マグネシウムも多量に必要(。一般にカルシウムとマグネシウムは1:2の重量比の割合での摂取が推奨されていますが、最近はマグネシウム不足の蔓延もあり、アメリカなどでは1:1でのサプリからの摂取を勧めている方も居ます)。

 

7.副交感神経を優位にしてリラックスさせるため、特に睡眠全般の質の改善寝付き・寝入りが悪い、睡眠が浅い、早朝に目覚めてしまうなど)に効果があります。就寝前に亜鉛なと摂取すると更に効果がありますが、これについては次回の記事で詳しく説明します。

 

8.また、このリラックス効果や睡眠改善効果、心身の疲労感削減効果により、鬱への改善効果があります。摂取をきちんと続けていると、数日で気分・ムードが大分良くなってきます(冒頭のビデオ)。

 

9.特に年を取ってくると、ミネラルの代謝が悪くなるため、(カルシウムとは違い、同時摂取で)他の多くのミネラルの吸収・あるいは代謝を助けるマグネシウムの摂取が アンチ・エイジングに重要となる(以下のビデオ)。

 

 

10. テストステロンの増加

 

 男性更年期、LOH症候群を患わっている方、予防したい方、心配な方には朗報ですね。私も もっと早くマグネシウムの摂取量を増やしていれば、特に30代の頃からそうしていれば、と 強く感じます。

 

 

11.便秘の改善

 

 マグネシウム摂取で便通が良くなる事は有名ですね。ただ、十数年前に「にがりダイエット」なるものが日本で流行り、そのうち にがりの入った飲料 を 短期間にかなり量を飲むという、行き過ぎた過剰摂取を行った方 数名が心臓発作を起こすなどして お亡くなりになりました。にがり は豆乳を固めて豆腐にするのに使われる物ですから、安全な食品と勘違いしたのでしょうね。こういった事件もあり、近年の日本ではマグネシウムのサプリの宣伝販売が あまり盛んではないのでしょうね。

 

マグネシウムの摂取量

 

 以下のサイトによると、日本で推奨されているマグネシウムの摂取量は、成人男性が一日あたり360mg、成人女性が一日あたり270mgだそうです。マグネシウムは発汗・尿などとして体外に排出されやすく、特にアルコールと共に排出されやすいため、運動・長湯などで汗をかく方やお酒を飲まれる方は多めに摂取しても大丈夫なようです。ただし、先述の「にがりの過剰摂取」による心肺停止などの死亡事件もありますから、極端に摂取量を増やすのは止めて下さい。

 

http://vitamine.jp/minera/magune01.html

 

 また、このサイトではマグネシウムを豊富に含む食品を紹介しています。海藻や大豆食品を思い浮かべがちですが、海藻のなかでも、あおさ は少量でま多量のマグネシウムが摂取できるので、お薦めです。

 

 ナッツも大量にマグネシウムを含みます(上のリンク先の記事参照)。私は先月から(低炭水化物食の一環として)、朝食・昼食は ご飯のお米・パン・パスタ麺類を生アーモンド、生マカディミアナッツに置き換えているのですが、今月に入ってから認知力・記憶力のほか、肌も若返ってきたと感じて居たのですが、マグネシウム不足が解消されて来て、効能が現れはじめた訳ですね。納得です(。ただし、生アーモンドには肝斑や老眼の原因となる老化物質AGEを除去する働きがあるので、肌どころか老眼も最近治ったのは、アーモンドのAGE除去効果があります。これについては別の記事で紹介します)。

 

マグネシウム摂取のタイミング

 

 昨日の記事で、カルシウムとの同時摂取は避けるように言いましたが、カルシウムとマグネシウムの比が2:1であれば、これらのミネラルが互いに吸収を高め合うそうです。ただし、かんきつ類など、ビタミンCとの同時摂取でもマグネシウム、カルシウムともに吸収力がアップしますし、私の場合、就寝直前に(亜鉛と一緒に)マグネシウムを飲むため、(亜鉛と吸収の競合をする)カルシウムとの同時摂取はしていません。

 

 また、以下のサイト(栄養医学研究所)によると、炭酸飲料と一緒に摂取すべきではないそうです。炭酸飲料中に含まれるリン酸と反応し、体外に排出されるのがその理由だとか。

 

http://nutweb.sakura.ne.jp/iframe/03_ippan/01nutrio/optimalsapple.html

 

 また、同サイトによると、高脂肪食や動物性たんぱく質を食べた後2~3時間にマグネシウムを摂取しても吸収が悪いそうですから、最近流行りの低炭水化物食(ケトン食、MEG食とも相性が悪いという事ですね。そうすると(どの健康食もそうですが)、夕食時の脂肪摂取を少なめにして、就寝前に飲むのがベストかな、と思います。ビタミンDやアルコールを摂取し過ぎても、マグネシウムは体外に排出されます。また、少量のビタミンB6(一日50mg以内)と同時摂取すると、細胞内へのマグネシウムの吸収が促進されます。