諦めないで(1): 男性更年期(LOH)や鬱には多角的に対処

      

がんばる人ほど老化する―ストレスをかわす技術
クリエーター情報なし
日本経済新聞出版社

 

 数日前ですが、このサイトの読者の方からメールを頂きました。私と同じ40代半ばの男性ですが、今秋に LOH症候群(重症)と診断され、現在も治療中だそうで、ひどく落ち込んでいらっしゃいました。今日はその方への返信も兼ねて、この記事を書いています。

 

 私も落ち込む事が多く、昨年の夏に本格的な治療(ホルモン充填療法)を開始してから1年以上、血中の男性ホルモン(遊離テストステロン)の値が下がる一方だったため、今年の3月を過ぎたあたりからは特に体調が悪く、鬱(うつ)症状や認知症のような症状もひどくなりました。そうやって、このサイトへ(LOH症候群に関する自分の情報整理も兼ねて)記事をアップするのもかなり億劫になりました。今年7月の採血(結果が出たのは4週間後の8月)では、遊離テストステロンの値が 2.8 pg/cc しかなく、これはもう、重症(8.5 pg/cc)を遙かに通り越し、重症判断の閾値(8.5 pg/cc: 多くの男性の場合、70代で、この値より低くなり、80歳で迎える平均的な値 8.0 pg/cc に近づいていく)の3分の1以下です。100歳以上で太寿をまっとうした方も、2.8 pg/cc まで下がることはないと思います。実際、私が調べた限り、ここまで低い値を持つ人の記事を本・雑誌やウェブ上でも(日本・アメリカなど英語圏を含めて)見つける事が出来ませんでした。

 

 ここまで下がると、そりゃ落ち込みますよね。ちょうど1年もホルモン充填療法を続け、食事や睡眠、運動にも気を付けていたわけですから。

 

 そんな私ですが、もう回復するのは無理だろうと殆ど諦めていた所、今年の8月になって、エアロビクス を始めました。ジムで知り合った、見た目が(少なくとも 元)体育会系・スポーツ派の 友人2人に今年の初め頃(私がホルモン充填療法を受けているのを彼らが知って)から勧められていたのですが、人前で踊る(?)というか、下手な身振り・動きを見せるのは嫌だったのです。

 

 当時56歳,66歳の友人で、私よりそれぞれ 10歳・20歳年上ですが、二人とも活気・やる気・精力に満ち溢れていて、年齢を知るまで、実年齢56歳の友人が46歳(私と同い年)のオヤジ、実年齢66歳の友人が50代後半のオッサンだと思っていました。実年齢よりも かなり若く見えるだけでなく、体もガッチリしていましたから、エアロの激しい有酸素運動の効果が出ているのだなとは思いましたが、私には到底無理だと思ったのです。エアロなんて生まれて一度もやった事ありませんし。

 

 ただ、2.8 pg/cc という末期宣告を突き付けられた後でしたので、8月の上旬から、藁をもすがる思いで、今までずっと避けてきたエアロビクスを、上記の友人2人と週に2回する事にしました。レッスン中は この友人達が 私の直ぐ両側に立ってくれたので、心強く、始めて2週間もすると、汗をかいた後の爽快感を楽しめるようになりました。

 

 すると不思議なことに、8月末になると、急にやる気が(仕事中に)出てきたり、頭の方もスッキリ明解になり、鬱症状も(数日間ですが)吹っ飛んでしまったのです。9月に入って 担当医に話すと驚いていて、直ぐに採血検査をしました。分析に4週間かかりますので、検査結果が出た10月には、遊離テストステロンが 4.6 pg/cc です。これでも重症の値ですが、数か月で40パーセントもアップした、というのは私にとって大きな喜びでした。担当医の方からも、私の場合、運動療法が一番効くようなので、毎日続けるように、と応援のアドバイスを頂きました。以来、エアロビクスを(従来の筋トレと共に)続けています。

 

 今年の11月になってからは(「冬季性うつ」を吹き飛ばす目的もあり)、エアロビクスを週に3回、筋トレを週に3回(エアロのない日に)、休息日を1日、という週サイクルを守っています。心臓も強くなったし、エアロのインストラクターからは「筋肉が付いて来たね。」と言われる事が2,3度ありましたので、テストステロンの分泌量も増えているのだと思います(体脂肪も減って、筋肉が見えやすくなっているのでしょう)。

 

 そういう私も、今でも波があり、体調の良い時も悪い時もありますが、ちょうど1年前の落ち込み時と比べると(テストステロン値は今の方が低いとはいえ)、精神的も前向きに、体調も全体的に良くなってきています。運動療法のほか、アダプトジェンと呼ばれる「ストレス抵抗性を上げるハーブ」をサプリやハーブティーの形で飲んだり、抗うつ系のサプリや食品を(あれこれ試した挙句、自分に一番効く物、合った物をやっと見つけて)摂取したり、日光浴・日焼けマシンなど光療法などを ずっと続けているからだと思います。

 

 それに加え、今年の9月末からは上記のジムの友人ほかと『完全オフ』で週末を過ごしたり(それまで週末・祝日も一日数時間は仕事をしたり勉強していました)、この友人たちが外出に億劫になっていた私を泊りがけの旅行に連れて行ってくれたり、と社交的な時間がグッと増えたからだと思います。運動療法を長年続けてきたのに「減少する一方」だった私のテストステロン値が、最近になって上昇に転じた事 について、私の担当医は、

 

「『友人たちとの旅行』・『一緒にエアロ』など、単なる『一人ぼっちの機械的な運動』(ウエイトマシーンやランニングマシーン)から、『社交的・集団的な運動』(ハイキングや大人数でのエアロビクス)へと変化したからだろう。」

 

と考えています。

 

 確かにそうだ と 私も思いますが、あえて自分に言わせて頂くと、

 

「テストステロンの量がドン底の時期であっても、そんな自分の体や心の状態とそのメカニズムを理解し、そんな状態でも 上手くやっていくための生活術、食事栄養ハーブ療法、運動療法、アロマセラピーなどを見つけ、習慣化させた。」

 

という事が一番の理由だと思います。

 

 LOH症候群(男性更年期障害)や鬱(うつ)に、運動療法がなぜよいか?というのは、冒頭の本「がんばる人ほど老化する」を読むと良く解りますし、これらの病気に苦しんでいる方に限らず、30を過ぎた男性やその配偶者も必読の本だと思います。

 

 私が今までに読んだLOH症候群(男性更年期障害)の本の中で一番解りやすく、役に立ちましたし、この病気の事を知らない人に理解してもらう手助けにもなります。また、全体的にアンチ・エイジングを意識して35歳を越した男性すべてを対象に書かれているので、「自分にはまだまだ関係ない」と思うような方でも、元気な生活を持続するのに役に立ったり、思い当たる節(早期発見の手がかりなど)が書いてるのではないかと思います。LOH症候群について書いてある第2章だけでなく、第1章(笑いのパワーや祈りの効果)、第3章(運動と栄養)、第4章(人間はなぜ思考の「負の循環」に陥りやすいのか?負のスパイラルを断ち切るには?)も しっかりと読んで下さいね。

 

 私には第3章と第4章が特に役立ちました。最後のインタビュアー(竹内薫さん)の あとがき もショッキングであり、元気づけられました。テレビ・メディアで大活躍のサイエンス・ライター、竹内薫さんも ひどく苦しみ悩んだ時期、どん底まで追い詰められた時期があったんですね。竹内さん、ますます尊敬します。

 

2013年12月28日(土)に掲載