Andropause, Male Menopause, Burnt-out Syndrome, Hypogonadism, Masked Depression, Midlife Crisis

2017年

8月

19日

栄養・サプリのアップデート2:アシュワガンダ

 

 Anabolic Men などのブログ記事 で、日本でもボディービルダーの方などに知られる米国のクリス・ウオーカーさんですが、自身が19歳の時にテストステロン(男性ホルモンの主要なタイプ)の分泌がほぼ皆無になる病気を患い、その後たった1年半で健常者どころかトップアスリートやボディービルダーを遥かに上回るテストステロンを分泌するまでに回復したという逸話でも知られています。デューク大学で神経科学を専攻して 入学後わずか3年で卒業し、今はテストステロン増強のためのサプリを自分で材料調達・ブレンドして発売したり、他のフィットネス・グルらと共に複数のポッドキャストやYoutubeを介して最新研究ニュースの動画を配信しています。

 

 そんな彼が勧めている数少ない「テストステロン増強ハーブ」の1つがアシュワガンダです(冒頭の動画:ナレーションはクリスさん)。日本でも3年位前から広く出回るようになったハーブですが、以前私が試した時にはあまり効き目がなく、米国でサプリ効能のファクト・チェックに使われているサイト、WebMD でも「効能について証拠がまだ十分ではない」とされていた(今でもそのまま)なので、摂取を止めて居ました。しかし、彼の上記の動画でまとめてあるのですが、アシュワガンダのテストステロン増強を実証する研究論文が2010年頃からいくつも学会誌に登場し、中にはメジャー誌から「筋トレなどの運動と併用する事により、アシュワガンダのテストステロン増強、筋肉肥大、体脂肪減少、生殖能力改善への有効性がかなり強い」という研究結果を発表しているものがあります。特に、以下の2つが重要で、アスリートにも非アスリートにも二重盲目試験でかなりの効果が見られます。

 

Wankhede et al. (2015) Examining the effect of Withania somnifera supplementation on muscle strength and recovery: a randomized controlled trial

https://jissn.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12970-015-0104-9

 

Ahmad et al. (2009) Withania somnifera improves semen quality by regulating reproductive hormone levels and oxidative stress in seminal plasma of infertile males

http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0015028209010140

 

 では、アシュワガンダが私になぜ効かなかったのか、というと、冒頭のクリスさんの動画によると、これらの研究で使われているアシュワガンダと、日米の市場に安価に出回っているアシュワガンダのタイプが違うのだそうです。これらの研究で用いられているのは、アシュワガンダの根だけから抽出した KSM-66 という良質タイプです。調べて見た所、米国から日本へも発送してくれる Bodybuilding.com や日本のアマゾンでは売っておりません。また、米国のアマゾンで購入しても、日本へは発送してくれません。日本だと、iHerb が輸入販売しており、私もつい先ほど注文しました。

 

https://jp.iherb.com/pr/jarrow-formulas-ashwagandha-300-mg-120-veggie-caps/3302

 

 また、アシュワガンダはストレスホルモンであるコルチゾールの減少、認知力など脳機能の改善、抗うつ作用もあります(Health Guruとして全米で有名な Dr. Axe の以下の動画でも紹介されています)。

 

 

 上記の研究は多数、広い年齢層によるアシュワガンダ(KSM-66)の40日間位の使用期間の前後での血液サンプル比較結果(二重盲目試験)ですから、私も40日間試してみて、その結果を記事にしますね。商品到着まで2~3週間かかりますので、結果がでるのは10月下旬になりますが、お楽しみに。

 

2017年

8月

12日

栄養・サプリのアップデート連載1:ココナッツオイル

 

 日本では3年位前からブームになり、健康食どころかスーパーフードとしてすっかり定着してしまったココナッツオイルですが、今年6月になって大事件がありました。米国心臓医学会が「ココナッツオイルは体に悪い。心臓病、循環器系疾患のリスクを上げる。悪玉コレステロール (LDL) も上昇する。」という声明を学会誌への投稿論文を通じて発表したのです。

 

https://www.usatoday.com/story/news/nation-now/2017/06/16/coconut-oil-isnt-healthy-its-never-been-healthy/402719001/

 

 もともとココナッツオイルには医学界でも賛否両論がありました。ココナッツオイルは飽和脂肪酸(簡単に言うと、常温で固まる油)ですから、皮下脂肪のように固まったり、体内を流動しにくいのであれば、血管に悪いのは自明です(豚脂のラードが白く固結しているような感じです)。これに対し、DHA, EPAなど魚(特に青魚や鮭・鯖など寒い地域の魚)の油は冷たい水の中でも脂が固まらずに体内を循環するよう、サラサラしているので、我々の食料としては理想的な油のタイプなのです。ただし、不飽和脂肪酸であっても、トランス脂肪酸(キャノラ油、カノーラ油、水素付加したやし油、植物油)など、体に明らかに悪い物もありますから、注意が必要です。

 

 

 上記のアメリカ心臓学会の発表に対し、ココナッツオイルは善玉コレステロール(HDL)を増やすという研究結果もありますので、一概に悪いとは言えないのでは?という専門家もいます 〔以下の動画など〕。

 

 

 この医学会の発表に対し、アメリカの健康グル、セレブを中心に猛反対の動きがあります。中には「医学会が食品業界の支援の下に行った、バイアスのある研究結果だ」と断言している有名グルも複数居ます〔以下の動画など〕。私も調べて見たのですが、今の所、そのような直接的な証拠は見つかっていません。

 

 

 では、常温で固まる飽和脂肪酸なのにどうしてココナッツオイルがもてはやされたか、というと、その成分(全体の約半分にあたる)である中鎖脂肪酸(MCTオイル)です。ココナッツオイルの残りの成分が固形成分に相当し、MCTオイル自体は常温では液体ですから、MCTオイルを直接摂取していれば心臓に基本的に悪い飽和脂肪酸の摂取を控える事が出来ます。

 

 また、MCTオイルは他の栄養素のように肝臓を経由する事なく、ケトン体へと分解され、直接エネルギーとして使われるために、肝臓に負担をかけることなく、活力の源となりますし、実際、最近流行りのケトジェニック・ダイエット(Ketogenic Diet)や糖質制限食でも使われていますし、日本でも昔から介護の必要な高齢者や未熟児のエネルギー源として使われています。糖質だと 1 g あたり 4 kcal ですが、脂肪だと 9 kcal になり、しかも肝臓などの消化器官に負担を掛けないので、取りすぎなど、摂取量やタイミングに注意していれば、理想的な栄養素なのです。また、脳は糖質起原のグリコーゲンだけでなく、ケトン体もエネルギー源として直接利用する事が出来ます。

 

 

 このため、私も上記のニュースを聞いてから、ココナッツオイルを控え、(ココナッツオイルを精製して作られる)MCTオイルをドレッシングなどとして使うようになりました。いろいろ試したのですが、上記の仙台勝山館の物が私のお気に入りで、成城石井で購入しています。調理の際に加えるのは、オリーブ油(Extra Virgin Olive Oil)のみです。他の植物油、特にキャノラオイルなどトランス脂肪酸系はマーガリンと同じく、アメリカなど欧米諸国の大半で禁止となっていますから、ご注意を。また、どの油を使おうと、揚げ物は脂が過剰に酸化してしまうので、避けた方が良いです。ノンフライヤーを使い、後で新鮮なオリーブ油など健康的な油をかけて食べるのをお勧めしますが、これについてはいつか別の記事で紹介しますね。

2017年

8月

11日

栄養素・サプリのアップデート連載開始

 

 この2年位、このサイトにブログ記事を載せる事が(記事の数が既に多く、シラミ尽くしに調べ終えた感もあり)ぐっと減っておりましたが、それでもたまに問い合わせのメールがフィットネス・健康食品系の業者さんからも届きますので、連載を再開をしようとは思っておりました。仕事の多忙もあり、また私の(このサイトのタイトルにもある)症状がぶり返す時もあり、なかなか実現できませんでした。申し訳ございません。

 

 しかし、この数年で、男性更年期やLOH症候群の直接の原因であるテストステロン(男性ホルモンの主要タイプ)の研究がグッと進み、過去5年位の学会誌に載った物を素人にも解りやすく説明してくれるサイトや動画もアメリカを中心に大分増えました。専門用語の多い英語だと翻訳が難しいためか、こういった最新研究の大半は残念ながら日本では紹介されていません。男性更年期の専門医・大家の出版した本においてもです。日本国内の学界の動きを気にしているのかもしれませんが。

 

 アメリカでのテストステロンの最近の研究躍進の話に戻ると、その結果として、それまでは健康的だと思われていたものが不健康だったり(例:今年6月に、ココナッツオイルは心臓病のリスクを上げるという見解を米国心臓医学会が発表)、テストステロン増強には逆効果だった(むしろテストステロンや成長ホルモンを減少させる)という事例が増えて来ました(例:亜麻仁油 Flaxseed Oil, ピーナッツ・アーモンドなどナッツ類の大半)。残念ですが、日本語だと、ホルモンを気にするボディービルダーのサイトでも、フィットネス系の人気雑誌でも殆ど取り上げられる事がありません。どちらかというと、もう10年位前の古い研究(今は支持されていないアイデア)の記事を使いまわしているのをよく見かけます。編集者・ライターに言葉の壁があるのでしょうが、それよりも、サプリ・フィットネス業界に都合の良い記事を選んで載せている感じがします(例:日本に多い、昔ながらの、プロテインをもっと摂取しよう、という記事に対し、最近は米国を中心に、プロテインのトレーニング前後の摂取を止めて食事の時間に食品からたっぷり取る、しかも食事の頻度を1日2食などに減らす Intermittent Fasting ~ 日本語だと 近いのが 『プチ断食』や『半日断食』 ~ が台頭して来ています)。

 

 例えば、冒頭のビデオに登場する、Thomas Delaurerさんは従来の方法を批判し、自ら研究し試行錯誤の末、激ヤセと肉体改造に大成功した事から栄養・運動・睡眠などフィットネス全般の伝道師として目覚め、今や全米のみならず、他国でも有名なセレブです。日本でもゴールドジムの発行するアイアンマン(Iron Man)の今年6月号の表紙に出て居ます。

 

アイアンマン2017年6月号
クリエーター情報なし
フィットネススポーツ

 

 ただ、ここが「言葉の壁」をいいことに Delauerさんの意志に反し、この刊も例外なく、プロテインやサプリの多量摂取を推奨しています。Dalauerさんは海外では「運動前後のプロテイン摂取を止めて、きちんと(できれば自炊して)食事を取ろう。間食は(プロテインやBCAAも含めて)止めよう。一日で食事を最初に口にして食べ終わるのは、8時間内にしよう(朝11時から夕方7時までなど、Intermittent Fasting・『朝食抜きのプチ断食』」と、米国の医学会・フィットネス系の大物達(Dr. Mercolaなど)と共に推奨しています。食事を取るとインスリンが分泌されてしまい、その間、成長ホルモンやテストステロンの分泌量がグッと減ってしまうため、如何に運動後30分内にプロテインを摂取しようとも、インスリンも必要以上に、しかも長期に渡って上昇してしまうため、運動で傷ついた組織を修復する成長ホルモンの分泌や、筋肉肥大を起こすテストステロンの分泌を相殺してしまうのです。

 

 そういう事が米国のフィットネス系雑誌やテレビでは近年頻繁に紹介され、Delauerさん自身もあの見事な肉体を(40代半ばだというのに)Intermittent Fastingと1日2食の食事と運動だけで作り上げ、ハリウッドのセレブ達にも伝授し、昨年の米国版(オリジナル)Iron Manの表紙にもなったのに、上記の日本語版Iron Manでは全く取り上げられていない。まあ、業界としては如何に多くのプロテイン・サプリ・運動健康器具を売るかが目的ですから、そうなってしまうのは当たり前ですが、それに気付いて居ない方、サプリに走ってしまう方が多いのは、近年は(米国よりも)日本の方が多くなってしまった、(業界の広告記事・メディアに踊らされる消費者心理としては、日本の方が)ますます大衆的になってしまったなあ、と感じて居ます。

 

 このため、まず1つ1つのサプリ・栄養素・食品について、従来の考え方 vs. 最近の(学会で支持されている)考え方を連載として紹介していきまね。連休中・お盆休みですし、明日からスタートしようと思います。

2017年

1月

14日

亜鉛不足の原因は 精神的ストレス

 

 亜鉛(Zinc)はテストステロン生成に重要なミネラルであるため、このサイトでも何度も紹介しましたが、冒頭の Dr. Axe のビデオによると、亜鉛不足の一番の原因は、感情的ストレス・精神的ストレスだそうです。大切な人を失ったり、仕事での過剰なストレスで傷ついた脳などを修復するのに亜鉛が多量に使われるのですが、十分に摂取していないと不足して、髪が薄くなる、抜け毛が増える(漫画などフィクションだと白髪が増えますが、亜鉛不足に関していえば髪の発育が悪くなります)、肌荒れ、ニキビ・湿疹などの皮膚病に掛かりやすくなる、などがあります。私も職場でもストレスが最高潮に達した時、帯状疱疹になりましたが、これは亜鉛不足を通り越し、ストレスで免疫力がどん底まで低下した際に発症しますので、亜鉛など栄養療法だけでは到底治りません。一方、亜鉛不足自体が免疫力低下を招くので、普段から十分な量の亜鉛を摂取しておく必要があります。上のビデオによると、アメリカでは人口の75%が亜鉛不足だそうですが(食生活の変化だけでなく、それだけストレスも増えたのでしょうね)、平均的な日本人の食生活では亜鉛不足になってしまうのだそうです(以下のリンク先の記事参照):

 

http://亜鉛の摂取.com/entry6.html

 

 また、冒頭のビデオによると、亜鉛不足の第2の原因は、激しい運動です。従って、心身共に強いストレスのある方は亜鉛を摂取すべきです。

 

 対策として、亜鉛に富んだ食べ物を取る事ですが、牡蛎牛肉がよく知られている一方で、実は亜鉛の含有量が一番高いのが かぼちゃの種です。ただ、私の場合、彼方此方探してみたのですが、アマゾン・楽天などで探しても、お店で(アメ横まで出かけて)探しても、中国・モンゴル産の物ばかりでしたので、かぼちゃの種は食べて居ません。チアシードアーモンド、豆類も亜鉛の含有量が高いので、そちらで補っています。

 

 

 また、発酵食品を同時に摂取すると、亜鉛の吸収率が良くなります。一方、野菜や豆類に含まれて居るフィチン酸(Phytic Acid)が亜鉛と結合し、体外に排出されるからです。このため、亜鉛不足が一番深刻な人たちはベジタリアンの方々なのだそうです(以下の動画)。

 

 

亜鉛の摂取量について

 

 推奨摂取量が性別・年齢でかなり異なりますので、摂取不足だけでなく、過剰摂取にも気を付けて下さい。以下のサイトをご覧ください。

 

http://亜鉛の摂取.com/entry6.html

 

 過剰摂取を避けるため、日本での上限は一日あたり30mgとなっています(直ぐ上のビデオによると、アメリカでは30-40mgです)。サプリを購入する場合、食品からの摂取量も合わせて、上記の上限を越さないようにしましょう。

 

亜鉛摂取のタイミング

 

 以下の栄養医学研究所の記事によると、多くのミネラル は 亜鉛の吸収を阻害するため、特に マンガンカルシウム と 硬水は一緒に摂取すべきではないそうです。また多量の繊維質と結びついて排泄されやすいのだそうです。

 

http://nutweb.sakura.ne.jp/iframe/03_ippan/01nutrio/optimalsapple.html

 

 そうすると、マグネシウムと同じく、就寝前がベストだと思います。私も最近 睡眠の質、疲労回復、男性力アップのサプリ、ZMA(亜鉛とマグネシウム)を就寝前に服用し始めたのですが、確かに効果を感じます。ZMAについては 別の記事で紹介します。

2017年

1月

13日

マグネシウムは万能のミネラル

 

 宣伝広告の影響や骨粗しょう症への危惧のためか、ミネラル不足というとカルシウムを思い浮かべる方が多いですが、実はマグネシウムの方が重要です。昨日の記事でも触れましたが、カルシウムは骨のカルシウム収支の平衡機能のため、普段からきちんとした食生活をしていれば、さほど不足する事はありません。一方、マグネシウムはというと、近年その不足が深刻である事が注目されており、アメリカでは国民の8割がマグネシウム不足なのだそうです(冒頭のビデオ)。日米ともに緑黄色野菜の摂取量はそれほど変わらないと思いますが、日本は魚介類の他、海藻もまめに摂取しますので、ここまでひどくはないと思っていたのですが、日本でもマグネシウム不足の国民への蔓延は深刻で、糖尿病など生活習慣病が戦後増え続けている原因の1つとなっているそうです(以下の記事参照):

 

http://www.seikatsusyukanbyo.com/calendar/2011/001804.php

 

 マグネシウムが必要な理由ですが、

 

1.細胞の代謝に不可欠のミネラルであるため、不足すると、疲労感・気怠さを感じる(汗と一緒に排出されるので、熱中症の時や長風呂・サウナの後で、休憩したり水分をいくら補給してもダルさが取れないのは、マグネシウムを中心としたミネラル不足のためです。詳しく言うと、ナトリウム・カリウムなどの電解質の発汗による不足も関係してきます。)。実はマグネシウムの多くは(骨の他は)細胞内に多量に蓄積され、血液中の量は少ないため、マグネシウム不足が血液検査などから解りにくく、また細胞壁(膜)からの取り込みの効率が重要になります。最近では日本でも出回っていますが、欧米を中心に Epsom Salt(エプソム塩:硫酸マグネシウム)が入浴剤やボディースプレーとして愛用されているのは このためです(以下のビデオ)。

 

 

2.特に脳はマグネシウムの消費量が多いので、不足すると疲れやボーっと感じるだけでなく、頭痛を感じる場合もある(これが習慣化、慢性化している方も結構いるそうです)。そうでなくとも、すぐ上のビデオによると、マグネシウム不足が原因で、そうでない同世代の人たちに比べ、記憶力・認知力が かなり低下している人たちがどの国も溢れかえっているそうです。マグネシウムの摂取により、疲れ・頭痛も取れ、頭もクリアになって来ます(以下のビデオ)。

 

 

3.脳がきちんと働いているように見える時でも、マグネシウム不足によって、イライラ・怒りの他、落ち込み、鬱など、感情のコントロールが出来なくなります。これは、脳の神経細胞(ニューロン)同士の電気信号の漏れをマグネシウムが防いでいるのですが、マグネシウムは神経細胞にあるストレスホルモンの受容体を普段は覆ってストレス信号の量を調節しているのですが、マグネシウムが不足すると、この覆いが外れてストレス信号が脳内を駆け巡るような漏電状態になり、脳の彼方此方に不必要に伝達されて、ヒステリーなど、感情の暴走が止まらなくなるわけです。以下の動画によると、これがマグネシウム不足による現代人の最も深刻な問題(8割が該当)だそうで、その原因は人類の農耕開始時から現代へ至る食生活の大幅な変化だそうです。この数年、欧米を中心に狩猟採取時代の食材を取り入れたパレオ食事法 (Paleo diet) が流行っていますが、炭水化物をタンパク質・脂質に置き換えるだけでなく、こういったミネラル不足を補う事も大きな目的なのです。

 

 

 また、この際に(あるいは感情をコントロール出来ている人でも)脳内の抗ストレスホルモンであるコルチゾールが多量に分泌されます。このコルチゾール、脳内の炎症を起こし、放っておくと神経細胞を次々に死滅させていくのですが、その最たるものが、短期記憶(ワーキングメモリー)を司る海馬です。このため、マグネシウム不足に限らず、ストレスを受けやすい状態を放置しておくと、海馬がだんだん委縮し短期記憶力が低下しもの忘れが増え)、海馬が使い物にならなくなります。海馬は記憶に白黒のラベリングをする事により、ストレスをコントロールする器官なので、放っておくと、更に感情に翻弄されやすく、他人の言動に対して敏感・ネガティブになります。これが慢性的ストレス・疲労感の大きな要因の1つです。

 

 ただ、最近になって、海馬はマインドフルネスなどのトレーニングで(高齢になっても)数か月単位で回復が見られる事が解っています。これについては私も実践して効果がありますので、別の記事で紹介しますが、とりあえずはマグネシウム不足とコルチゾールの過剰(このサイトでも紹介したエゾウコギなどのアダプトジェン系のハーブ・サプリが効きます)に注意しましょう。

 

4.筋肉の弛緩・修復に多量に利用されるため、不足すると、こむら返しのほか、筋肉痛の原因になる。

 

5.糖の代謝を助けるため、不足すると血糖値が下がりにくくなり糖尿病など、生活習慣病のリスクが高まる(冒頭のビデオを参照)。また、マグネシウムは血圧を下げる効果があるので、高血圧に多大な効果がある(同ビデオ)。

 

6.骨を作るのにはカルシウムだけでなく、マグネシウムも多量に必要(。一般にカルシウムとマグネシウムは1:2の重量比の割合での摂取が推奨されていますが、最近はマグネシウム不足の蔓延もあり、アメリカなどでは1:1でのサプリからの摂取を勧めている方も居ます)。

 

7.副交感神経を優位にしてリラックスさせるため、特に睡眠全般の質の改善寝付き・寝入りが悪い、睡眠が浅い、早朝に目覚めてしまうなど)に効果があります。就寝前に亜鉛なと摂取すると更に効果がありますが、これについては次回の記事で詳しく説明します。

 

8.また、このリラックス効果や睡眠改善効果、心身の疲労感削減効果により、鬱への改善効果があります。摂取をきちんと続けていると、数日で気分・ムードが大分良くなってきます(冒頭のビデオ)。

 

9.特に年を取ってくると、ミネラルの代謝が悪くなるため、(カルシウムとは違い、同時摂取で)他の多くのミネラルの吸収・あるいは代謝を助けるマグネシウムの摂取が アンチ・エイジングに重要となる(以下のビデオ)。

 

 

10. テストステロンの増加

 

 男性更年期、LOH症候群を患わっている方、予防したい方、心配な方には朗報ですね。私も もっと早くマグネシウムの摂取量を増やしていれば、特に30代の頃からそうしていれば、と 強く感じます。

 

 

11.便秘の改善

 

 マグネシウム摂取で便通が良くなる事は有名ですね。ただ、十数年前に「にがりダイエット」なるものが日本で流行り、そのうち にがりの入った飲料 を 短期間にかなり量を飲むという、行き過ぎた過剰摂取を行った方 数名が心臓発作を起こすなどして お亡くなりになりました。にがり は豆乳を固めて豆腐にするのに使われる物ですから、安全な食品と勘違いしたのでしょうね。こういった事件もあり、近年の日本ではマグネシウムのサプリの宣伝販売が あまり盛んではないのでしょうね。

 

マグネシウムの摂取量

 

 以下のサイトによると、日本で推奨されているマグネシウムの摂取量は、成人男性が一日あたり360mg、成人女性が一日あたり270mgだそうです。マグネシウムは発汗・尿などとして体外に排出されやすく、特にアルコールと共に排出されやすいため、運動・長湯などで汗をかく方やお酒を飲まれる方は多めに摂取しても大丈夫なようです。ただし、先述の「にがりの過剰摂取」による心肺停止などの死亡事件もありますから、極端に摂取量を増やすのは止めて下さい。

 

http://vitamine.jp/minera/magune01.html

 

 また、このサイトではマグネシウムを豊富に含む食品を紹介しています。海藻や大豆食品を思い浮かべがちですが、海藻のなかでも、あおさ は少量でま多量のマグネシウムが摂取できるので、お薦めです。

 

 ナッツも大量にマグネシウムを含みます(上のリンク先の記事参照)。私は先月から(低炭水化物食の一環として)、朝食・昼食は ご飯のお米・パン・パスタ麺類を生アーモンド、生マカディミアナッツに置き換えているのですが、今月に入ってから認知力・記憶力のほか、肌も若返ってきたと感じて居たのですが、マグネシウム不足が解消されて来て、効能が現れはじめた訳ですね。納得です(。ただし、生アーモンドには肝斑や老眼の原因となる老化物質AGEを除去する働きがあるので、肌どころか老眼も最近治ったのは、アーモンドのAGE除去効果があります。これについては別の記事で紹介します)。

 

マグネシウム摂取のタイミング

 

 昨日の記事で、カルシウムとの同時摂取は避けるように言いましたが、カルシウムとマグネシウムの比が2:1であれば、これらのミネラルが互いに吸収を高め合うそうです。ただし、かんきつ類など、ビタミンCとの同時摂取でもマグネシウム、カルシウムともに吸収力がアップしますし、私の場合、就寝直前に(亜鉛と一緒に)マグネシウムを飲むため、(亜鉛と吸収の競合をする)カルシウムとの同時摂取はしていません。

 

 また、以下のサイト(栄養医学研究所)によると、炭酸飲料と一緒に摂取すべきではないそうです。炭酸飲料中に含まれるリン酸と反応し、体外に排出されるのがその理由だとか。

 

http://nutweb.sakura.ne.jp/iframe/03_ippan/01nutrio/optimalsapple.html

 

 また、同サイトによると、高脂肪食や動物性たんぱく質を食べた後2~3時間にマグネシウムを摂取しても吸収が悪いそうですから、最近流行りの低炭水化物食(ケトン食、MEG食とも相性が悪いという事ですね。そうすると(どの健康食もそうですが)、夕食時の脂肪摂取を少なめにして、就寝前に飲むのがベストかな、と思います。ビタミンDやアルコールを摂取し過ぎても、マグネシウムは体外に排出されます。また、少量のビタミンB6(一日50mg以内)と同時摂取すると、細胞内へのマグネシウムの吸収が促進されます。

 

2012年11月17日 開設